- 「お墓を守る」ということについて、何をするのかいまいちピンと来ないという方
- お墓を建てる際に、自然災害の対策をできるだけしておきたいとお考えの方
- 今お持ちのお墓が古いので、自然災害が起こったときに大丈夫なものなのかと心配な方
承継者さまの役目の一つである「ご家系のお墓を守る」ということについて、
「お墓を守ると言われても、何から守るの?常に見張っている必要あるの?」と、いまいちピンと来ないという方もいらっしゃるかと思います。
確かに「守る」と言われますと少々大げさのように受け取られるかもしれませんし、実際には常に見張っている必要はございません。
ただ、最も多くの承継者さまにとって守る必要がある対象というのは「自然災害による被害から」です。
最近では毎年のように、
- 台風の大型化
- 南海トラフ地震の懸念
- 記録的な大雨・土砂災害の発生
などのニュースが報じられるようになってきました。
実際、東日本大震災の際には、多くのお墓が被害を受けることとなってしまいました(参照:シニアガイド, お墓も耐震対策を考えよう)。
そのため、自然災害によって具体的にどのような被害が発生しうるのかを知っておくことは、被害に対する対策を考える第一歩として非常に重要となります。
そこで今回は、自然災害によるよくあるお墓の被害についてご紹介していきたいと思います。
よくあるお墓の被害
お墓が泥などで汚れる
山岳地帯や周囲が自然で囲まれているような墓地・霊園は、そこからの眺めが良いという点で人気が高いです。
しかしその一方で、墓地・霊園やその周りの道路が舗装されていなかったりもするので、台風などが来るとお墓に泥が付きやすい事もあります。
特に、古いお墓にありがちな表面がザラザラしている墓石は、泥などが付着すると掃除をしてもなかなか取れません。
かといって、硬いたわしなどを使って泥を落とそうとしてしまうと、たわしで擦ったことによってむしろお墓を傷つけてしまう可能性が高いです。
中でも黒い墓石は高級感があって人気が高い一方、泥やシミによる汚れが目立ちやすいという特徴がございます。
飛来物によりお墓が傷つく・一部破損する
お墓自体は頑丈に作られていたとしても、強風による飛来物が墓石に当たることでお墓が傷ついてしまうケースもございます。
よく飛来するものについて例を挙げますと、
- 看板
- 近隣住宅の屋根瓦
- 砂利・玉石(特に墓地・霊園で使用されているもの)
などです。
どんなに硬くて丈夫な墓石でも、飛来物が飛んでくるスピードや飛来物の当たり方次第では、傷が入ったり破損をしたりする可能性は十分にございます。
お墓の付属品が飛ばされる
お墓には墓石以外にも、
- 湯呑
- 花立
- ろうそく立て
などが置かれているケースが多いです。
ですがこれらは強風によって飛ばされてしまうケースもしばしばあります。
最近では飛ばされにくくするために、あえて重たく製造されている付属品も販売されるようになってきております。
お墓がズレる・傾く・倒れる
お墓は非常に重量が大きく、また見た目もずっしりとしているため、一見すると自然災害に対してびくともしないように感じられる方もいらっしゃるかと思います。
ですが、台風や地震によってお墓がズレたり、傾いたり、最悪は倒れてしまうなんていうことも珍しくありません。
中でも被害を受けやすいのは
- 和型のお墓のような背の高いお墓
- 山岳地帯や急斜面に建てられているお墓
- 元々地盤がゆるいお墓
などになります。
また、雨風にさらされて続けることによってお墓の目地材が劣化してくると、目地材の隙間から雨水が入り込んでいってしまいます。
目地材の隙間に入り込んだ雨水は乾くことはなく、
- お墓の接着を弱らせたり、
- お墓を浮き上がらせてしまったり、
といったことが発生し、お墓が倒壊しやすくなってしまいます。
大雨があった際には、天候が落ち着き次第お墓の様子を見に行かれることをおすすめいたします。
塩害によってお墓が劣化する
海が近いようなお墓の場合、強風によって海水がお墓にかかることによる塩害を受けやすくなります。
塩害を受けると、
- 墓石が変色する
- 墓石に錆ができる
- 墓石の艶がなくなる
などといったダメージを受けます。
「お墓って石でできているのに錆びるの?」と疑問に持たれている方もいるかと思いますが、実は石材の中には鉄が含まれています。
含まれている鉄の量については石材により異なるのですが、この鉄が海水にさらされることによって、赤錆を生じさせてしまうのです。
納骨室が水浸しになる
劣化したお墓が大雨にさらされると、納骨室が水浸しになってしまいます。
そうすると、納骨されているご遺骨も水害を受けてしまい、ご遺骨に水垢やカビが発生してしまいます。
一見、納骨室がしっかりと密閉されているように見えてましても、石材をつなぐために使用する目地材が剥がれたり亀裂が入っていたりしますと、そこから雨水が侵入していってしまいます。
最近のお墓は、仮に水が入り込んでしまったとしてもうまく排水できるような構造になっていることがほとんどですが、昔に建てられたお墓については要注意です。
ただし、納骨室の様子を見ようとして、お客さまご自身で納骨室の蓋を外そうとするのはご遠慮ください。
蓋は非常に重たく、
- 無理に作業をすると蓋を落として破損したり、
- 足腰を痛めてしまったり、
といった危険があるので、必ず石材店に連絡して業者さんにご依頼するようにしてください。
お墓の被害への対処方法
こういったお墓の被害への対策としてですが、主にやらているのは、
- 仮に被害が発生したとしても、その被害が大きくならないような構造のお墓にする
- 定期的にメンテナンスをすることで、お墓をキレイな状態に戻す
といった、お墓のリフォームです。
もちろん、お客さまご自身でなんとか対処されているという方もいらっしゃいますが、猛暑になりがちなお盆の時期に作業をするのは、熱中症などの心配もございます。
そのため、こういった対処については作業に慣れている石材店へご依頼されることをおすすめいたします。
もちろん、弊社カレンでもお墓のリフォームのご依頼は常時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。