- 墓地の場所が遠かったり、墓石までの階段を上がるのが大変なので移動させたいとお考えの方
- お墓を改葬するのにどの程度の費用がかかるのかを把握しておきたい方
- お墓の改葬にはどのような方法があるのかを知りたい方
近年、「お墓が遠くて維持・管理が難しい」と悩む方が増えています。株式会社オレンジページ様のアンケートによると、約5人に1人が「遠方のため、頻繁にお参りに行けない」と回答しています。
この背景には、進学や就職、結婚などで地元を離れる方が増えていることが挙げられます。遠方のお墓へのお参りは、長時間の移動や高額な交通費がかかり、負担となることが少なくありません。
こうした状況を受け、注目されているのが「お墓を自宅近くに移動する改葬」です。全国の改葬件数は、2014年度の約8万件から2019年度には約12万件と、わずか5年で1.5倍に増加しています。
お墓の移動を考える際、「手続きや費用がどれくらいかかるのだろう?」と不安に思う方も多いでしょう。結論から言うと、お墓の移動には以下の3つの方法があります:
- 遺骨とお墓をまとめて移動する
- 移動元のお墓を撤去し、遺骨を取り出して移動先で新しく建てる
- 移動元のお墓を残しつつ、一部の遺骨だけを取り出して移動先で建てる
この記事では、これらの方法ごとにおおよその費用感を説明します。石材店によっては作業がパック料金化されている場合もありますが、見積もりを入手した際の内容確認にも役立ててください。
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目次
改葬に共通してかかる費用
移動元のお墓にかかる費用
1.遺骨の取り出し
お墓から遺骨を取り出すには費用が必要です。というのも遺骨が保管されている納骨室(カロート)の蓋は非常に重たいため、石材店などに問い合わせて作業をして貰う必要があるのです。重いものだと100kg近くにまで及んだりもします。費用はおおよそ数万円程度が相場だと言われております。
2.閉眼供養(魂抜き)
移動元のお墓からご先祖様の魂を抜くための儀式をするのに必要となる費用となります。閉眼供養はお布施として支払うものです。そのため決まった金額を言われることはなく、支払い可能な範囲で住職の方へお気持ちとして包むということになります(結婚式のご祝儀のようなものです)。一般的な相場は数万円程度ですが、詳しくは移動元の墓地の住職などにご相談してみてください。
移動先のお墓にかかる費用
1.永代使用料・年間管理費
移動先の墓地の使用料(永代使用料)と管理費となります。永代使用料については「公営墓地か民営墓地か」「墓地の場所はどこか」「檀家になるかどうか」などによって費用は大きく異なります。
年間管理料というと「墓地を管理する方がお墓の掃除もしてくれるための費用」と思われがちですが、個人のお墓の維持や、管理、清掃は行われません。基本的には個人のお墓の区画内は使用者が管理・維持をしていく必要があります。詳細につきましてはお客さまが候補として挙げられている墓地にてお問い合わせいただければと思います。
2.据付工事費
移動先の墓地にお墓を建てるために必要な工事の費用となります。墓石を設置するためには単に墓地に置くだけではなく、地震等による倒壊を防げるようしっかり基礎工事をしていく必要となってきます。
3.開眼供養(魂入れ)
移動先のお墓へご先祖様の霊を入れるための儀式をするのに必要となる費用です。閉眼供養とは逆の作業となります。こちらの費用についてもお布施扱いです。一般的には相場は数万円程度と言われていますが、詳しくは移動先の墓地の住職などにご相談してみてください。
1:遺骨とお墓の両方を移動させるときにかかる費用
遺骨とお墓の両方を移動するパターンですが、こちらの最大のメリットは、先祖代々使用されてきた墓石を移動先でも使用できることにあります。長く使用されてきた墓石ほどご家族にとっての歴史的価値が増してきますが、その墓石を移動先でも使用することでその価値を崩さずに使い続けることができるのです。
1.お墓の撤去費用
墓石の解体と、区画の整備をするのに必要な費用となります。墓石を移動先の墓地へするにはある程度解体をする必要がありますので、重機等を使いながら丁寧に作業をしていきます。これに加えて移動元の墓地を返還するため、区画を更地にする必要があります。お墓は一般的に耐震のための基礎工事がされているので、そこももとの墓地の状態に戻していきます。費用はお墓の区画の広さやお墓の状態にもよりますが、1m²あたり数万円~15万円と言われております。
2.墓石運搬費
移動元の墓石を移動先へ運搬するのにかかる費用となります。墓石は非常に重たいものですから、運搬をするには重機やトラックが必要となります。また、墓石自体が古くて老朽化している場合、運搬中の振動などで亀裂が入る懸念を考慮して補強を行う場合もございます。費用については、お墓の大きさや移動先までの運搬距離などによって数十万単位のばらつきがございます。
弊社でもご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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2:移動元-墓じまい、移動先-新規建立
こちらの方法は、もともとあったお墓からご遺骨を取り出して、お墓自体は墓じまいをした後に、移動先で新しくお墓を建てるといった方法になります。
1.お墓の撤去費用
パターン1の墓石の解体と墓地区画の整備に加え、墓石の処分料も追加でかかってきます。これらを含めたお墓の撤去費用は1m²あたり10~20万円程度だと言われております。
2.遺骨の移動費
遺骨を移動先のお墓に移動させる上で、遺骨の配送を依頼する場合にかかる費用です。おおよそ1000円ほどで移動することができます。ただし、配送をする上では、骨壷の蓋が外れないようしっかり固定したり、配送中に骨壷が破損しないよう緩衝材などで梱包するなどはご自身で行う必要があります。なお、遺骨の配送は日本郵便の「ゆうパック」でのみ、遺骨を配送することができます。他の配達業者ですと約款の中で「配送不可」と明記されているので注意してください。
3.墓石購入費
新しくお墓を建てるための墓石の費用です。墓石の費用については、そのデザインや、戒名、オプションの内容によって費用は大きく変わってきます。せっかくお墓を建てるのであれば、お墓のデザインを一新されるのも非常によい選択かと思います。
3:移動元-お墓を残す、移動先-新規建立
こちらは、移動元のお墓からご遺骨の一部を取り出したのち、新しく建てたお墓へご遺骨を移すといった方法になります。
1.遺骨の移動費
パターン2でご説明したものと同様、日本郵便の「ゆうパック」で遺骨を移動先のお墓に送る場合にかかってくる費用です。
2.墓石購入費
パターン2でご説明したものと同様、お墓のデザイン等によって費用が大きく変わってきます。
改葬にかかるその他の費用
離檀料
お墓をお寺が管理し、その檀家である場合、移動に伴い「離檀料」という費用が発生することがあります。これはお布施として支払うもので、金額に明確な決まりはありません。地域性やお墓の大きさ、付き合いの長さによって異なりますが、一般的には数万円程度が相場とされています。支払いは「お気持ち」として可能な範囲で包む形となります。金額に悩んだら、周りの檀家さんやご住職に相談してみるのが良いかと思います。
事務手数料
お墓を移動するには書類による手続きが複数必要となります。その書類作成には役所はもちろん、住職の方にも書類を作成、記載をして貰う必要があります。場所によって無料・有料が分かれているようですが、費用は高くても遺骨1つにつき数千円程度だと言われています。
お客様に一番適した改葬をするポイント
最も気になるのが「どれが最も費用を抑えられるか」だと思いますが、これは結論を言うとケースバイケースとなります。
- 墓地ごとの規則・料金
- お墓の状態
- お墓の大きさ
- 移動先までの距離
- 法要費 など
費用が大きくばらつきがあるためです。確かにお墓の移動だけを考えれば、パターン3の「移動元のお墓は残しつつ、遺骨の一部だけを取り出し、移動先でお墓を建てる」が最も費用を抑えられる傾向がありますが、その一方で管理するお墓が複数あることによる管理費の増大やお参りの際の交通費などトータルの費用で考えると高くなってしまう可能性もあります。
お墓の移動費用について調べていると「平均で〇〇万円」と記載されているメディア記事や書籍がございます。ですが、お客さまの場合も平均通りの金額になるかの査定は、やはりお客さまのご状況を確認させて頂く必要がございます。もちろん場合によっては平均よりも費用を低く抑えられるパターンもございます。
弊社では、そういった費用のシミュレーションや見積作成なども承っておりますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。